TDYリモデルスマイル作品コンテスト

2012年入賞作品発表!

審査の様子

2012年度も皆様から多数の応募をいただき、誠にありがとうございました。
去る2012年11月26日・27日の2日間にわたって厳正な審査を行い、全国最優秀賞作品、および各部門の上位入賞作品を決定いたしました。審査員の講評とともに発表いたします。

事例シートの作り方で印象に差がつく

 今回の応募総数は3025点。残念ながら前年よりやや減少しましたが、「それでも3000点を超える作品が寄せられた本コンテストの意義は大きいですね。全般的に施工内容も事例シートの作り方も見応えのあるものが多く、年々レベルアップしていることを実感しました」と話されるのは、審査員を務めて今回で5年目となる竜口隆三先生。2年目の西岡麻里子先生も「コストをかけた見栄えの良い事例というものだけでなく、ローコストでも工夫を凝らした素晴らしい事例がたくさんあり、そういう作品には特に目が止まりました」と話されます。ただし、事例シートの作り方によって、作品の印象は変わるもの。「どんなに内容の濃いリモデル作品であっても、事例シートに盛り込まれた情報が少なかったり、作り方にオリジナリティーがない、訴求ポイントがわかりにくいなど、事例シート自体に魅力がないと審査する側に長所が伝わってきません。そうすると高い評価にもつながりにくいですね」とお二人は指摘されます。
 その点でお二人とも迷うことなくナンバーワンの評価をされたのが、今回の全国最優秀賞作品です。お施主様のリモデルへの思い入れや期待感、それに応えようとしたリモデル店の熱意や創意工夫、そしてできあがった新しい空間でのお施主様のイキイキとした暮らしなどが事例シートから読み取ることができ、ハイレベルな作品の中でも一番目を引いた作品と言えます。「プレゼンテーション力に優れた事例シートの勝利とも言えますが、しっかりと書き込まれたシートから何よりもお施主様の笑顔が見えるような温かみが伝わってきたのが一番のポイント。それは、お施主様とリモデル店とがきちんとコミュニケーションを取り、良い関係を築くことができた証拠です。まさにリモデルの原点のような作品」と、お二人は絶賛されていました。

耐震性・バリアフリー対策は今や当たり前に

 今回、耐震性の向上を考慮した作品が増えたことも特徴のひとつでした。それは言うまでもなく2011年の東日本大震災の影響であり、リモデルにおいても必要不可欠なテーマになってきたと言えるでしょう。筋交をデザイン化して新たに空間に取り入れるといった手法もありますが、耐震補強のほとんどは目に見えない部分であり、コストもかかるだけに、お施主様に信頼と納得をしていただけるかが重要です。
 高齢化が進む中、バリアフリー対策やユニバーサルデザインを重要視する傾向もますます顕著となっています。「足腰が弱くなって今すぐ必要という段階になってからリモデルするのではなく、元気なうちに早めに対策を図るのが理想的。リモデル店の皆さんからもぜひ早めに提案していただきたい」と竜口先生。
 また、提案力の面で西岡先生が推奨されるのは「お施主様が日常生活の中でふと幸せな気持ちになれるような、気の利いたアイデアや洒落たデザインを大事にすること。そんな提案力を磨くことが、お施主様の喜びにつながると思います」と話されます。最後に、「事例シートをコンテストのために作るのではなく、ふだんから一つひとつの事例をまとめ、営業ツールに生かしてほしい。より良い事例シートづくりに励んで、お客様に実力をアピールしてください」とお二人からのエールも。今後も、お客様に喜んでいただけるリモデルのために邁進してください。

審査員
西岡 麻里子 先生
西岡 麻里子 先生

一級建築士。アトリエ楽 一級建築士事務所主宰。埼玉県生まれ。日本女子大学住居学科卒。「どこの家も散らかっているし、家族の会話は少ない」を前提に、楽しい暮らしができる家づくりを日々模索する。著書に、吉田桂二氏らとの共著「暮らしから描くキッチンと収納の作り方」(彰国社)、女性建築技術者の会名義での「家づくりのバイブル」(三省堂)など。
竜口 隆三 先生
竜口 隆三 先生

西日本工業大学デザイン学部教授・博士(人間環境デザイン学)。東陶機器㈱(現TOTO(株))にて長年水まわり設備機器・福祉機器を中心としたバリアフリー化の研究・開発業務に従事し、2002年同社内に設立されたUD(ユニバーサルデザイン)研究所の初代所長に就任。現在は西日本工業大学で教鞭を執るほか、国内外でUDを中心とした講演活動も精力的にこなす。
ページのトップへ