TDYリモデルスマイル作品コンテスト

2013年入賞作品発表!

審査の様子

2014年度は前年を上回る多数の応募をいただき、誠にありがとうございました。
去る11月20日・21日の2日間にわたって厳正に審査を行い、全国最優秀賞作品、および各部門の上位入賞作品を決定しました。審査員の講評とともに発表いたします。

インテリアと色使いも重要な要素

今回の応募総数は3088点。リモデルクラブ発足20周年、作品コンテストが30回目を迎えた節目の年に、前年の2846点を上回る多数の作品が寄せられました。「数が増えただけではなく、施工内容も事例シートも質の高いものが増え、底上げが感じられました。お施主様との打ち合わせがきちんとできていることがうかがえる優れたプランニングなど、リモデルの内容の良さに加え、高い表現力が目を引く魅力あるシートが目立ちました」と話されるのは審査員の竜口隆三先生。西岡麻里子先生も「イラストをはじめ、表現方法の多彩なアイデアや写真の上手さが光るものが多くなりました。生活感が伝わってくる写真が増えたのも好印象です」と評価します。
 このようなシート作りによってプレゼンテーション力の向上が見られた一方、工夫と熱意が伝わってくる力作でありながら、やや内容過多でかえってリモデルのポイントがわかりにくくなってしまうケースも。「説明文や写真の点数が多すぎると、メリハリに欠けてアピールポイントがぼやけてしまうこともあるので、内容を整理して箇条書きを用いるなど、簡潔にまとめることも大事」と、お二人は提唱されます。
 プランニングにおいては、高齢者、子ども(孫)、ペットに配慮した作品も多く見られました。「高齢者が安全に暮らせるだけでなく、ペットと快適に暮らすための工夫や、孫が遊びに来たときに楽しく過ごせるような空間づくりなど、プラスアルファの気の利いたアイデアに目が留まりました。高齢者の一人暮らしやペットの数は今後も増えていくと思われるので、こういった面でのより独創的なプランニングに期待したいですね」とお二人。
 また、家具やクロスなどのインテリアまで考えられた作品も増えてきています。「これまでにもインテリアコーディネートやカラーコーディネートの重要性を提唱してきましたが、その部分にまでこだわった場合は、トータルな空間づくりができているかどうかが評価の分かれ目になります。特に色使いのうまさは写真で見るとよくわかり、印象を左右します。色を使いすぎると落ち着かない空間になるので注意が必要」とお二人は話されます。その点で文句なく“ナンバーワン”と評価されたのが、今回の全国最優秀賞作品です。
 フルオープンのキッチンが映えるダイナミックな空間づくりに加え、白と明るい茶色を基調にしたモダンなインテリアに、パイプや薪ストーブの黒が差し色となって空間を引き締めています。「床や梁の木材、ストーブ背面のレンガ、引き戸の鏡など、素材の使い方や色使いにセンスの良さが感じられ、元の和室からは想像もつかないおしゃれな空間に変身させた手腕が、ハイレベルな応募作品のなかでも群を抜いていました」と、お二人は口を揃えて絶賛されていました。

営業ツールとして事例シートの積極的な活用を

 今回、新たな部門として「中古住宅を買ってリモデル部門」が設けられ、力作が多数寄せられました。中古住宅流通・リモデル市場の活性化が見込まれる時代の流れを反映して、今後さらにこの部門の作品が増えていくことが期待されます。
 最近は、独自に事例シート作りの勉強会を行うなど、熱心なリモデルクラブ店も増えています。「そういった活動が全国的に広がるといいですね。お客様にアピールする営業ツールとしても事例シートを活用していただきたい」とお二人。今後も、より良いリモデルとシート作りに邁進してください。

審査員
西岡 麻里子 先生
西岡 麻里子 先生

一級建築士。アトリエ楽 一級建築士事務所主宰。埼玉県生まれ。日本女子大学住居学科卒。どこの家もふだんは散らかっているし、家族の会話は不足がち。だからこそ楽しい暮らしができる家づくりを日々模索している。著書に、吉田桂二氏らとの共著「暮らしから描くキッチンと収納の作り方」(彰国社)、女性建築技術者の会名義での「家づくりのバイブル」(三省堂)など。
竜口 隆三 先生
竜口 隆三 先生

西日本工業大学デザイン学部教授・博士(人間環境デザイン学)。東陶機器㈱(現TOTO㈱)にて長年水まわり設備機器・福祉機器を中心としたバリアフリー化の研究・開発業務に従事し、2002年同社内に設立されたUD(ユニバーサルデザイン)研究所の初代所長に就任。現在は西日本工業大学で教鞭を執るほか、国際標準化「ISO」の日本代表委員等も務めている。
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